作業療法士の資格と仕事
集中できにくかったり、落ち込んだり、怪我をしてしまい、うまく身体の一部が動かせなくなってしまった時に、趣味などに打ち込み、知らず知らずの間に具合が良くなっていた、などの経験をしたことはありますか?
何かをすることを通じて、身体がうまく機能する、心が上向きになることは私たちの日常でよくあることです。
好きなことをするためには、少々どこかが痛くても平気、という人も多いでしょう。
医学の分野でも、自分に合った作業を通じて身体の機能を回復させ、そして心のケアをするという療法があります。
これは、作業療法と言われます。
この作業療法を円滑、そして効果的に行えるように医学的見地からサポートしてくれるのが作業療法士です。
事故や、病気で日常生活を営むのに支障が出てしまった時、基本的な立つ・座る・歩くなどの動作を自由にできるまでリハビリテーションをすることは、とても大切になります。
作業療法は、これらの動作を日常生活の中で円滑に行えるようにすることを目指します。
作業療法では作業活動を通じて、リハビリテーションを促進・援助・補助します。
作業活動は、日常生活の全ての動作、活動、遊びのことを指します。
したがって、トイレに行くことから食器を洗うなどの多くの人の日常生活に密着した事柄が含まれます。
また、ゲームや手芸など趣味の領域も含まれます。
陶芸や刺繍、スポーツや散歩など、その個人にあった作業を選び促進、援助します。
歩く・立つ・座るなどの人の基本的な活動をサポートするだけでなく、その人らしさを尊重して作業を選びサポートしてゆくことで、身体的機能だけではなく心の内側もケアもするというのが作業療法です。
作業療法士は、これらの作業療法の手段を活用して、その人のリハビリテーションをサポートしてゆくという医療資格を持った職業の人を指します。
病院やリハビリセンター、介護施設や学校など多岐に渡った場所にそのニーズがあります。
作業療法士になるには大学や短大、専門学校で3年から4年の修学期間を経て、国家資格を取得する必要があります。
また、陶芸や絵を描くことなど、趣味に関する作業内容も多くあり、作業療法士自身の趣味も実際に活用できるという特徴もあります。
ここでは、作業療法士に関しての資格取得や仕事内容などを紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
作業療法士とは
- 作業療法士について…医療機関や介護、福祉施設などで作業療法を行う人を指します
- 年収…給与は国が定めた俸給表によって決められています
- 勤務形態…約9割の作業療法士は常勤として働いています。
- 理学療法との違い…リハビリテーションは理学療法と言語療法と作業療法に分けられます。
- 認定作業療法士制度について…日本作業療法士協会により2004年4月から始まりました。
作業療法士になるには
作業療法の対象
- 身体に障害がある人…身体や心に障害がある人、発達期に障害がある子供、老年期に障害がある人など。
- 心に障害がある人…統合失調症や躁うつ病、アルコール依存症、認知症などがあります。
- 発達期に障害がある子供…脳性麻痺、精神発達遅滞、自閉症、学習障害などが挙げられます。
- 老年期に障害がある人…認知症、脳卒中、骨折などが挙げられます。
作業療法の種類
作業療法の目的
作業療法の歴史
リハビリテーションについて
- 理学療法…病気や怪我によって何らかの障害が生じた人に対して施されます。
- 言語療法…言葉に関する障害を助ける言語聴覚士について。
- 職業リハビリテーション…社会参加、経済自立を助けるために行うリハビリテーションのこと。
- 精神科リハビリテーション…精神病による障害のために日常生活の中で困難がある人に対して行われるリハビリ。
障害のある人の生活に関して
- バリアフリー…私たちの生活のいたるところにバリアフリーの機能を持つものを見ることができます。
- ノーマライゼーション…障害を持つ人と、健常者が区別されることなく社会生活を共にすること。
- ユニバーサルデザイン…あらゆる人が区別なく使うことができるデザインのこと。
- QOL(生活の質)…日本語では「生活の質」と言われます。